研究設備

 多くの装置は、私より先に東海大学で研究をされていた、山田先生、太刀川先生が使用していた装置ですが、少しづつアレンジして学生の皆さんに使いやすいように工夫をしています。

 

小型引張り試験機

 50-100 mmの実用超伝導線材に対する、引張り試験を行う装置です。最大2 kNまで荷重印加が可能となります。室温はもちろん、液体窒素中での試験も可能で、さらに荷重を与えた状態で300 Aまでの電流通電が可能です。この装置を使って、超伝導線材に力が加わった状態での通電性能を測定します。

 特にREBCO高温超伝導線材の低温機械特性評価に威力を発揮しています。

 このほかにも、学科所有のInstronのオートグラフと組み合わせ、荷重印加速度の制御が可能な、液体窒素中引張り試験機も開発済みです。

80 mm大口径3ゾーン管状炉

 80 mmの大口径の空間に、長さ200 mm程度の均熱空間を持つ管状炉です。ガス雰囲気中、もしくは真空雰囲気での熱処理が可能であり、最高温度1100ºCです。 

冷凍機冷却クライオスタット

 冷凍機を用いて、4 K程度まで冷却可能なクライオスタット(低温容器)を東北大からお借りして使用しています。現在は、4 Kまでの電気抵抗測定に加え、10 Kにおける引張り試験を行えるようになっています。つまり、低温下で電気抵抗測定と引張り試験が同時にできる、ユニークな装置となっています。

ゴールドファーネス

 真空若しくはガス雰囲気で、熱処理ができる電気炉です。超伝導線材の超伝導生成熱処理に使用しています。

線引き加工機各種

 写真は、大型溝ロール圧延機。他にも、小型溝ロール圧延機、スウェージングマシン、線引き機、大型平ロール圧延機があり、超伝導線材の作製に利用します。

研磨機

 線材作成後に、線材内部の反応の様子などを確認するための、研磨機です。右が水を使った研磨用、左がアルコールを使った研磨用として分けて使っています。この2台で十分に線材内部の観察用試料の作製が可能です。